アピオスの栽培

アピオス(Apios tuberose Moench)
 アピオスマメ科ホドイモ属の作物で、名は、ギリシャ語の<梨>に由来し、塊根の形が梨に似ているところからつけられました。耐寒性つる性植物で、アピオスは土の中で育ち、ラクビーボールのような形の径3cm程度の小イモができます。フジの花に似た紫色の花には芳香があります。栽培も簡単で、繁茂しすぎるほど丈夫です。
 栄養価は非常に高く、健康食品としても注目の一品です。味はゆでたヤマイモのむかごのようで、鉄分や繊維質、タンパク質、ビタミンE、サポニンイソフラボンなどを含みます。中でもカルシウムが豊富に含まれております。おつまみにもよく、スライスして揚げると子どもが喜ぶおやつになります。
アピオス栽培のポイント
○植え付け
1、畑の準備 元肥として窒素成分の少ない有機合肥料を、1cmあたり100〜150gを前面に散布してよく耕します。酸性土壌を好むので、ピートモスを少量入れるとよいです。
2、3〜4月に植えつけます。株間25〜35cm、畝間100cm。種芋は5cmほどの深さに植えます。収穫するころになると根が1〜2mにも伸びるので、ほかの作物から2m程度の間隔をあけて植えましょう。
プランター栽培の場合
塊根を1球ずつにして、植えつけます。鉢植えは直径30cm以上の鉢、プランター植えは長さ65cmの標準サイズを用います。市販の野菜用培養土で植え付け、日当たりのよい場所で管理します。
○管理
1、4月中旬ころには発芽して、6月にはフジの花状の、芳香のある紫色の花が咲きます。開花期は長く、8月ころまで咲きます。
2、上に向かってツルがどんどん伸びます。長い支柱を立てツルを誘引します。支柱の間にビニールのひもを張って、ネット状にしてもよいでしょう。
3、7月中旬〜8月になったら、1株につき有機合肥料を50〜70gを追肥として施します。
4、病気には強いのですが、乾燥に弱いので、土が乾燥しないように水やりします。
○収穫
1、葉が枯れ始めたら支柱やビニールひもを外し、ツルを地際から切り除いてから掘り出します。根は株元から1〜2mは広がります。思いがけないところまでも根が広がっていることがあります。堀り残しがありますと翌年、そこから芽をだしますので注意しましょう。
2、掘り出したイモは乾燥しないように、玉ねぎを入れるネットなどに入れて土に埋め、食べる分だけ取り出して用いるとよいです。地上で管理する場合は、10℃以下にならないように注意しましょう。
3、畑植えで、1株50個くらいのアピオスが収穫できます。