がん患者、初の全数調査

■がん患者新たに99万人 16年 罹患率、道内4番目に高く。
 厚生労働省は1月16日、2016年から始めた全てのがん患者を追跡する「全国がん登録」制度に基づく初の調査結果を公表した。
16年に新たにがんと診断された人は99万5千人で、前年と比べて10万4千人増えた。
北海道は4万9千人で、都道府県別の罹患(りかん)率(年齢構成の地域差を取り除いた人口10万人当たりのがん患者数)は4番目に高かった。
 制度はがん登録推進法に基づき、がんの全国調査の精度向上を目的に導入された。従来の調査は医療機関の協力が任意だったため、実態との乖離(かいり)が指摘されてきたが、新制度では全病院と一定要件を満たす診療所に対して、患者情報の届け出を義務化した。
 全国の罹患数は男性が56万7千人、女性が42万8千人。
部位別では大腸が15万8千人で最も多く、次いで胃13万5千人、肺12万5千人、乳房9万6千人、前立腺9万人などだった。
 北海道の罹患数は全国で6番目に多く、罹患数は428で、長崎(455)、秋田(446)、香川(437)に次いで4番目だった。
 北海道の部位別の罹患率では、膵臓(すいぞう)(17.7)が全国で最も高かったほか、肺(51.4)が2番目、大腸(65.5)、も6番目と高かった。一方、胃(46.0)、肝および肝内管(14.6)などは全国平均を下回った。
厚労省は17日、詳しい調査結果をホームページ(HP)に掲載する。「住民に早期のがん検診を呼びかける説得力あるデータとして自治体に活用してほしい」としている。
(2019.1.17北海道新聞より一部抜粋)