「赤ビーツ」を特産品に

■「レッドビート」特産品に JAと北大栽培 調理法開発、今冬販売へ
JAグループ北海道と北大は、道内の新たな特産品としてビートの仲間「レッドビート」の栽培に乗り出した。「ビーツ」や「赤ビーツ」とも呼ばれ、ロシア料理「ボルシチ」などの材料に使われ、疲労回復や肌荒れに効果があるという。JAグループなどは日本人好みの料理を開発したり、健康食品や化粧品に活用したりして今冬から売り出す考えだ。
 北大大学院農学研究院の橋床泰之教授によると、レッドビートに含まれる赤い色素「ベタニン」は疲労の原因となる活性酸素の働きを抑える力が強く、肌荒れの修復にも効果がある。2016年のリオデジャネイロ五輪男子マラソン金メダリスト、エリウド・キプチョゲ選手(ケニア)もレッドビートのジュースを愛飲しているという。ただ、独特の土臭さがあり、道内ではほぼ栽培されていない。
 JAグループ北海道と北大は、昨年10月、農業分野の共同研究などで連携する協定を締結。健康効果が期待され、寒冷地に適したレッドビートの栽培と商品開発を進めることにした。今年は6月中旬、江別市農業生産法人の協力を得て20アールの畑で試験栽培を始めた。
 10月ころに数トンを収穫できる見込み。土臭さが気にならない酢漬けなどの料理法を開発し、ホクレンの農業体験施設「くるるの杜」(北広島市)のレストランでメニューを提供したり、一部スーパーで調理方法を宣伝して販売したりする。橋床泰之教授らはベタニンの粉末化技術を確立しており、粉末を使い口紅などの化粧品や健康食品も開発する。
 ホクレン企画課の南章也課長は「レッドビートは健康効果が高く、農業者の収益性向上が期待できる作物。今年の試験栽培の成果を見て、作付面積を増やしていきたい」と話している。
(2018.7.22北海道新聞より抜粋)