エア・ウォーター農業に参入

エア・ウォーター 北海道で来春、農業に参入 まず葉もの野菜栽培
 産業用ガス大手のエア・ウォーター(大阪、本店登記・札幌)が、来春にも道内で農業に参入することが、19日分かった。レタスやサラダ菜の水耕栽培を皮切りに将来的にトマトなど果菜類の生産も想定し、早期の年間売上高10億円の突破を目指す。流通大手イオンも道内での農場開設を決めるなど、大手企業の道内農業参入の動きが活発化してきた。
 エア・ウォーターの主力の産業ガス供給は製造業向けが中心だが、景気悪化などで需要拡大が難しくなっており、事業多角化に向けて農業に着目した。旧ほくさん時代から官民との結びつきの深い道内での農業参入を目指し、今年7月、北海道カンパニー内に新事業開発部を設置。具体的な事業内容を10年度から3カ年間の中期経営計画に盛り込む。
 農業生産法人設立による間接参入とするか、市町村が区域指定した農地を賃借する直接参入とするかは検討中で、生産拠点も数カ所の候補地から今後絞り込むとしている。
 建物の屋内やビニールハウスなどで、比較的容易に取り組める葉もの野菜の栽培から始める構想。レタスなどは1カ月ほどで生産でき、通年栽培、通年出荷が可能。果菜類の生産も視野に入れてノウハウの蓄積を急ぐ。
 グループ企業で製造する二酸化炭素を利用して成長を促すほか、傘下の食品製造業、春雪さぶーる(札幌)を通じた販路拡大、エア・ウォーター物流(同)による産直輸送などグループの総合力を発揮し、農業を新たな収益源に育てる考えだ。
(2009.09.20北海道新聞より一部抜粋)