野菜や果物鮮度長く 函館の業者が触媒開発

野菜や果物鮮度長く 函館の業者が触媒開発 出荷・運送コスト減期待
【函館】野菜や果物から発生して腐敗を促すエチレンガスを分解し、鮮度を長く保つ触媒を門上技術開発研究所(函館、門上洋一所長)が開発、商品化した。農家が青果物を出荷する際に使う氷や保冷剤よりも少ない使用量で済み、運送コストなどの大幅改善が見込めるという。
 同研究所が開発したのは、パラジウムと銅などを混ぜた合金で、エチレンガスを二酸化炭素と水に分解する触媒として機能する。これを乾燥剤のシリカゲルに付着させて袋詰めし「ギガフレッシュ」の商品名で売り出した。1袋の重さは7・5グラムで価格は150円。
 開発に協力した石嶋農園(渡島管内森町)は、ブロッコリーを本州に出荷する際、発泡スチロール製の箱一つにブロッコリー6〜8キロと10キロ前後の氷を詰め込んでいる。今月から試験的に氷の代わりにギガフレッシュ1袋を入れて運んでみたところ、同等の鮮度維持効果を得られているという。
 このブロッコリーの場合、ギガフレッシュを氷の代用品として使うと、1箱の重さが従来の半分以下になり、輸送費は大幅に軽減される。
(2013.08.17北海道新聞より)