根菜は水、葉物はお湯から

■野菜をゆでるときに「根菜は水、葉物はお湯から」という鉄則をご存じの方は多いでしょう。この鉄則の「なぜ」を科学してみましょう。
 例えばジャガイモ。火が通りにくいので、沸騰したお湯に入れると表面だけに火が通り、中心部は生のままです。中まで火を通そうとすると、加熱が長引いてしまいます。
 表面と内部では温度上昇の経過が違うので、中心部にちょうどよく熱が通ったころには、外部は加熱され過ぎになってしまいます。
 外部のペクチン質が軟らかくなって細胞膜が破れやすくなり、でんぷんが飛び出してしまうのです。
 こうした外部と中心部の温度上昇の違いを防ぐには、水からジャガイモをゆでると良いのです。温度がじわじわと上がっていきますから、双方の温度差を少しでも小さくすることができます。
 サツマイモをゆでるときも同じような注意が必要です。ただ、「衣かつぎ」のようにサトイモを皮付きでゆでる場合は、「水から」にこだわる必要はありません。
 一方葉物はなぜ沸騰したお湯に入れてゆでるのでしょうか?
 ホウレンソウなどの緑色は、クロロフィル葉緑素)という色素によるものです。このクロロフィルは、加熱とともに分子構造の中心にある金属のマグネシウムが外れてしまい、どんどん色が黒ずんでしまいます。ですから、さっと短時間でゆでて、流水につけて、「色止め」をする必要があるのです。
(2012.06.15北海道新聞
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