長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」

■よくかんで食べ過ぎ解消!
 「一口30回かみましょう」と初めて提唱したのは19世紀の英首相グラッドストンです。ある日、新聞記者が「あなたは84歳なのに、なぜおげんきなのですか?」と質問したところ、氏は「食べ物をよくかんでいるからです。天は私たちに32本の歯を与えてくれたので、いつも32回かんでいます」と答えたそうです。一口30回のルーツは、実はここから始まったのです。
 さて、同じ時代のアメリカに生きていた大富豪フレッチャーは、40歳で身長171センチ、体重は100キロ、腹囲は152センチもありました。毎日の暴食暴飲で健康が悪化して途方に暮れていたとき、グラッドストンの話を耳にして一念発起し、「本当に空腹のときだけ食べる」「新鮮な食材をシンプルに調理して食べる」「ゆっくり味わいながら、とくかんで食べる」などを自分の体で実験したのです。
 その結果、少量の食事で満腹感を覚えるようになり、実験開始後5カ月で体重は71キロ、腹囲は90センチまで減少。健康な体に戻ることに成功しました。彼は自分の実践を「本当の食べ方12条」にまとめ、「かむ健康法・フレッチャーイズム」として日本をはじめ世界中で説いてまわりました。それは現代に至るまで高い評価を得ています。
 フレッチャーイズムは要約すると「一口あたりの量を少なくして、よくかむことだけ注意すれば、早期に満腹感が得られ、自然に食べ過ぎも解消する」というもので、誰もが食事のときに少し努力することで簡単に実感できます。
 今、話題の長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子を活性化し、体力を維持しながら健康で長生きするには、毎日の摂取カロリーを約30%減らす必要があるそうです。ぜひ、フレッチャーイズムを取り入れてほしいものです。
(北大病院歯科検診センター講師)(2011.08.10北海道新聞
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