便の形状や色で健康チェック

気になる便のお話
 日本人は一日約1500gの便を排出します。便は食物残渣つまり「食べ物が消化しきれなかったかす」と考えられがちですが、実際には便を構成する成分のうち食物残渣は5%程度にすぎません。理想的な便の場合60〜70%は水分であり、その他は腸の細胞の死骸が15〜20%、大腸の中に100種類、100兆個も住み着いているといわれる腸内細菌の死骸が10〜15%を占めます。
 健康的な人の便の形状は半練り状とかチューブから出した歯磨き粉に例えられます。これが水分の占める割合が多くなると泥状、あるいは水様になり、逆に少なくなるとソーセージ状、石ころ状になってきます。
 便の色は消化液の一つである胆汁が原因で茶色いのが普通ですが、食べ物やPHの関係で褐色から黄土色までさまざまに変化します。しかしそれ以外の色のときは重大な疾患のサインであり注意が必要です。灰白色の場合は胆汁が含まれていないことを意味するので、肝臓、すい臓や胆道系の病気が疑われます。黒色の場合は胃や十二指腸などの上部消化管の出血、暗赤色の場合は大腸疾患による出血が疑われます。
 日本人は便が体外へ排出されたとたんに不浄の存在として扱う傾向にありますが、ぜひとも便の形、色などをじっくり観察する習慣をつけ、自分の体の健康状態をチェックしたいものです。
(2009.12.23北海道新聞より抜粋「札幌いしやま病院副院長」)
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