リンゴで生活習慣病予防

◎1日1個のリンゴは医者を遠ざける。さまざまな成分が健康を支える。
「リンゴが赤くなれば、医者が青くなる」などともいわれている。
 リンゴに豊富な食物繊維のペクチンは便秘を予防するとともに、ビフィズス菌などの善玉菌を増やして整腸作用を促す。またカリウムは血圧を下げる働きがあり、高血圧を予防する。
 最近注目されているポリフェノールには、細胞を傷つける活性酸素を除去する働きがあり、老化やがんを抑えるのに役立つと考えられる。リンゴに含まれるリンゴ酸、クエン酸は、せき止めやむかつきを抑える効果がある。
 喫煙者が高齢化すると発症しやすい慢性閉塞性肺疾患COPD)が問題になっているが、リンゴをよく食べる人はCOPDの症状が軽いともいわれている。
 独立行政法人農業技術総合研究機構果樹研究所は2001年、リンゴを食べると血液中の中性脂肪が下がると報告した。
 計14人の成人に三週間、毎日一個半から二個のリンゴを通常の食事に加えて食べてもらったところ、12人に中性脂肪値の平均20%以上の低下が見られた。
 果物の食べ過ぎは果糖の取りすぎになるといわれるが、一日一個は二個のリンゴなら、健康増進効果のほうがずっと期待できる。
(林義人・医療ジャーナリスト)(2008、11、26の北海道新聞より抜粋)