ビタミンB12

◎ビタミンB12の所要量は、成人の場合男女とも2.4μgで、厳密な菜食主義者や、胃切除者、高齢者などのIF(糖タンパク質の一種)が欠乏する場合を除くと一般的にはビタミンB12欠乏の心配はほとんどないでしょう。なお、過剰症は認められていないとのことです。
○ビタミンB12の主な働き
ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球の生成や神経細胞の修復にかかわっておます。赤血球や神経細胞中の核酸(DNA)の合成に葉酸と協力して補酵素として働きます。核酸(DNA)の合成を促進して細胞を増殖させたり、正常な赤血球をつくったり、傷ついた末梢神経を修復します。
○ビタミンB12が不足すると
赤血球の形成・再生に支障をきたし、巨赤芽球性貧血(悪性貧血。赤血球中に含まれるヘモグロビンが増えて赤芽球が大きくなり、通常より赤血球の寿命が短くなるために貧血傾向になる)を引きおこします。悪性貧血の症状は、頭痛、めまい、吐き気、動悸、息切れ、食欲不振などです。また、末梢神経の修復作用が低下するため、肩こり、腰痛、しびれや神経痛、目の疲れなどの抹消神経障害をおこしやすくなります。
ビタミンB12の吸収には、胃から分泌される内因子と呼ばれる糖タンパク物質が必要です。胃の切除や、胃炎などによる粘膜異常で、内因子が分泌されなくなると、ビタミンB12が腸で吸収されなくなってしまうので、ビタミンB12欠乏状態になりやすくなるようです。