日本人はひもじさに強い遺伝子

◎ひとの体と食べ物
 わずか50年ほど前までは、日本人は基本的に四季に取れるものを食べていた。
四季の中で一番厳しい冬。この時期はげっそり痩せた人が多かったでしょう。水を飲んだり、土を掘って木の根をかじっていたかもしれません。「100万年もの間、人間は一体どうやって生きてきたんだろう」いや、たった1000年でもいい。一世代30年とすると約30世代、遺伝子的に変化したとしてもずっとひもじさに強い遺伝子です。そして今から百数十年前の明治時代も貧乏で身売りなどもありました。長男しか残さずその下の子は放り出される。その中で生きてきている、非常にひもじい時代です。
 この50年で、食を取り巻く環境がガラリと変わり、電子レンジやフードプロセッサー、冷蔵庫などが各家庭に普及しました。そして「ひもじさ」弱くなっています。食べ物があふれてきたことによって、病気のあり方も変わってきています。50年前まで、日本人に多かった病気は結核脳卒中です。これが死因として多かった。そしてこの50年間で、少しずつ増えてきたのが糖尿病や高血圧、痛風です。痛風は50歳〜60歳ぐらいの肉をよく食べる人たちが患う病気でしたが、現在は25歳ぐらいの患者もいるようです。現在、子どものアレルギーや喘息が多いのも親の食生活の影響かもしれません。
私と同じ団塊世代の仲間よ、50年前を思い出してほしい。健康寿命を延ばそうゼ!