野菜の王様トマト

◎食で健康=野菜の王様トマト=がん予防にも効く
 「トマトが赤くなると医者が青くなる」。古くからヨーロッパに伝わるこんなことわざがある。抗酸化作用により、肌を紫外線から守ってくれたり、動脈硬化を防いだりと様々な効果を持つトマト。また、本格的な夏の暑さにまいっている人も多いと思うが、夏バテにも効き目を持つまさに、今食べどきの野菜なのだ。トマトの持つその効果と賢い食べ方を紹介しよう。
 それではトマトにはどんな効果があるのだろうか。近年、トマトの成分で注目を集めるのが「リコピン」と呼ばれる抗酸化物質だ。がんを発生させる活性酸素を、このリコピンが抑えるため、トマトを多く食べる人ほど消化系のがんが少なくなるというのだ。
 また、活性酸素を除去する力は何とビタミンEの100倍で悪玉コレステロールが酸化されるのを防ぎ、動脈硬化を予防する。その効果はβ-カロチンの2倍、ビタミンEの約100倍になるというから凄い。一日に必要なリコピン量は約15gと言われる。この量を採るためにはどれぐらいのトマト、もしくはトマト製品が必要なのか。
 リコピンは加熱に強い性質を持つため、生で食べても加工食品で食べても摂取しやすい利点を持つ。毎日のように、トマト料理を食べればがんに罹る率が減少するというデータもある。
 ただ、トマトを選ぶ際にぜひとも覚えていただきたい重要な点がある。
 赤い色のトマトがより効果的――。フェイラでもまだ熟れていないやや青色がかったトマトが売られているが、必ず真っ赤に熟したものを選ぼう。というのも未熟なトマトではせっかくのリコピンの量が十分の一程度に減少してしまうからだ。
 さらに以下の点も忘れずに。(1)裏返してヘタをみて、枯れたような色のものは古いので注意(2)ずっしりと重みがあるものを(3)皮にヒビが入っていたり、スジが入っていたりするものは避ける。
 発がん予防だけでないのもトマトの特徴だ。抗酸化作用が肌を紫外線から守ってくれるので、これからの季節には持ってこい。さらにトマトに含まれるβ-カロチンには免疫細胞を活性化させるほか、貧血予防になる鉄、ナトリウムを排出するカリウムも豊富なので、夏バテには最適の食材でもある。 【ニッケイ新聞一部抜粋】
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