ヤーコンはオリゴ糖を最も多く含む野菜

ヤーコン=オリゴ糖の王様=腸内浄化で快調快便
■世界で最もオリゴ糖を含む野菜ヤーコン
 南米で山と言えば、標高平均2000mのアンデス山地を抜きに語れないだろう。ペルー・ビルカバンバは、カザフスタンコーカサスパキスタンフンザと並んで世界三大長寿村として知られる。
 これらの地方に共通しているのは、カリウムを含むアルカリイオン水を飲用していることだ。ビルカバンバは、野菜や果物の原種も多い。
 昔から人々の健康を支えてきた野菜に、ヤーコン(yacon)がある。インカ帝国時代には栽培されており、ナスカ文明(紀元前200〜600年)に遡る説があるほど、伝統的な食文化だ。
 博研の沖真一さんは「日本でも、新顔の野菜として人気が高い。それに、今が旬です」と一押し。自宅を訪れると、ヤーコンのオカラでもてなしくれた。「梨のような歯ごたえでしょう」とニコリ。
 キク科の植物で、ダリアやタンポポと同じ仲間だ。地上1.5mほどに伸び、地下に10個ほどの塊根(イモ)がつく。一般にイモの部分を調理。サラダ、ジュース、天ぷらにする。葉も茶として有用だ。
 オリゴ糖の含有量が、可食部100g当たり8g。ゴボウ(3.6g)、玉ねぎ(2.8g)をはるかに凌ぐ。まさに「オリゴ糖の王様」だ。腸内のビフィズス菌を育てて、整腸機能を改善。便秘を解消する。
 ヤーコンの働きは、それだけに留まらない。抗酸化力があり、動脈硬化の進行を抑制。低カロリーでダイエット食品になり、糖尿病患者にお勧めだ。
 アジアでは、食糧難の深刻な北朝鮮がヤーコンの栽培に熱を入れているらしい。日本には20年ほど前に、ニュージーランドから持ち込まれた。
 沖さんは「長い歴史を誇るものの、ペルーの外にあまり出回らなかった」という。同じアンデス原産のじゃがいもが、世界に広まったのとは対照的だ。「調理方法が、分からなかったのだろうか」。
 フジモリ政権下(1990─2000)のペルーで、左翼ゲリラや麻薬ビジネスの取り締まりが強化された。政府は農家の現金収入を図るため、コカインに代わる農作物の一つとして、ヤーコンの栽培を奨励した。
 二重国籍を持ち、日本に帰国滞在中のフジモリ前大統領。今が食べごろのヤーコンを思い出しては、ペルーへの凱旋帰国を夢見ているかもしれない。
ニッケイ新聞一部抜粋)
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