コレステロール対策

高脂血症の食事療法はまずは全体の食事量を減らす。
■食事の全体量を減らす
 遺伝的な要因で高脂血症になっている人を除くと、ほとんどの人に食べ過ぎの傾向があります。高脂血症の食事療法は、まず食事の全体量を減らすことから始めます。食事量の目安は“腹八分目”ですが、食べ過ぎを防ぐためには、1日にとるべき「適正エネルギー量」を知っておく必要があります。
 適正エネルギー量は、身長から割り出した「適正体重」をもとに計算します。適正体重〔身長(m)×身長(m)×22〕に「25〜30kcal」を掛けた数値が適正エネルギー量です。運動量の少ない人は25kcalを、運動量の多い人は30kcalを掛けるというように、個人の運動量に合わせて、掛ける数値は変わります。
■脂質の量を減らす
 全体の食事量を減らしても効果が出ない場合は、脂質の量を減らします。脂質は、血液中のコレステロールを上げる原因になるためです。脂質の量は、調理法の工夫で減らすことができます。「揚げる」「フライパンに油をひいて焼く」といった調理法は、食材が油脂を吸ってしまうため脂質が多くなります。「網で焼く」「蒸す」「ゆでる」など、油脂を使わない調理法に変えるだけで、脂質の量は減ります。また、油をひかずに調理できる「フッ素樹脂加工のフライパン」を使ったり、揚げ物の衣を少なくするだけでも、脂質を減らすことができます。
コレステロールの摂取量を減らす
 全体の食事量や脂質を減らしても効果が現れない場合は、鶏卵や魚卵などのコレステロールの多い食品を控えるようにします。とはいえ、こうした食品にはカルシウムなどの栄養が豊富なものや、食事を楽しくさせるものが多くあります。まずはいつもの量の半分に減らして、検査値を見ながら徐々に調整するとよい。
NHKきょうの健康」より抜粋