夫源病(ふげんびょう)

■夫源病「私もつらい」 読者から反響70代女性が大半 動悸や腰痛などの症状も
 定年退職後などの夫の存在が、妻のストレスの元になる「夫源病(ふげんびょう)」。その特徴や注意点を生活面で紹介したところ、読者からさまざまな事例や感想が寄せられた。その一部を紹介するとともに、識者のアドバイスなどの予防策を紹介する。
■反応を寄せてくれたのは70代の女性が大半だった。
○ このうち、73歳の女性の夫は外では良い人だが、家で好きな酒を飲むと人が変わり、口につくのは愚痴ばかり。女性は動悸(どうき)や気分が悪くなったり、仕事をする気が起きないといった症状も訴える。「私が何か言うと反撃される。気持ちを素直にぶつけようものなら何が飛んでくるか分からない。老後は穏やかな暮らしをしたいのに」と嘆く。
○ 75歳の女性は腰痛をはじめ、何年も続く全身の痛みに悩まされている。夫の暴言、罵倒によるストレスから来る痛みと診断されたという。夫から投げつけられる言葉は「ばか!」「黙って従え」「世間知らず」…。そして夫は野菜、豆腐の切り方など、家事にも細かく口をはさむ。
○ また、70歳の女性の退職した夫は趣味もなく朝からテレビ漬けで、上から目線で物を言う。お金は夫が管理していて生活費はもらえず、女性の年金が頼り。ストレスがたまり、吐き気、めまいに襲われることもあるという。
○ 一方、札幌市西区野村克也さん(71)は退職後、男の料理教室に通い、専門学校にも入学して資格取得の勉強もした。妻の外出についていく「ワシも族」や、妻を連れ出す「お前も族」にならないためだったという。夏はシルバー人材センターに登録して庭仕事を中心に時々働き、自宅では屋根や玄関周りの塗装などにも汗を流す自称「何でもできる夫」だ。
 しかし退職後、妻との関係が少々、変わったように感じている。「家にいることが多いので、ささいなことで妻と衝突してしまいます。夫源病の記事を読んで反省し、怒れる高齢者から脱却する決心をしました」と感想を寄せた。
○ 札幌市の70歳の女性からは「私はこの病には絶対かかることができません」という感想が寄せられた。
 夫の定年後、一緒に旅行も楽しんだ。しかし8年前、夫を亡くした。夫源病という言葉を目にするたびに、この女性は思う。
 「おひとりさまで悲しみ、苦しんでいる女性もたくさんいる。愛する人を失った喪失感は、経験しなくては分かってもらえない」
(2016.11.21北海道新聞より一部抜粋)