脳出血に虫歯菌が関与

 虫歯の原因となる「ミュータンス菌」が、脳出血の発症にも関与していることを国立循環器研究センター(大阪府)や京都府医大、大阪大のチームが突き止め、英科学誌電子版に発表した。
 関与しているのは、人体の止血作用を阻害する特殊なタイプのミュータンス菌。
 同センターの猪原匡史医長(脳卒中学)は「日常の歯磨きが重要・。病原性の高い細菌を選択的に減らせれば、脳出血の新しい予防法になる可能性がある」と話した。
 脳出血患者の唾液に含まれるこのタイプのミュータンス菌を調べたところ、血管壁のコラーゲンと結合する能力が高い菌を持つ患者ほど、脳内の出血部位が多かった。
 ミュータンス菌は口の中の血管から血流に乗り、脳の血管に到達。そこでコラーゲンに結合して炎症を起こし、止血作用を妨げたり血管をもろくしたりして脳出血を引き起こすとみている。
 チームによると、脳出血脳卒中の一種で、塩分の取りすぎや生活習慣病が危険因子とされる。
(2016.02.08北海道新聞より一部抜粋)