カリウムの力

■高血圧防ぐ 野菜で摂取
 カリウムは天然塩に含まれる成分です。塩の成分はナトリウムですが、カリウムも含まれています。カリウムは塩だけでなく、さまざまな食べ物に含まれています。なぜなら、生物の体液にはたくさんのカリウムが含まれているからです。つまり、人の体にもカリウムは必要なものなのです。
 もし、人の体でカリウムが不足すると、筋力が落ちたり、腸の動きが悪くなって腸閉塞になったり、不整脈を起こしたりします。また、神経に影響が出て、反射が鈍くなったり、イライラ感が募ったりします。一方、カリウムを多くとると、ナトリウムが体から排出されやすくなるので、高血圧の予防になるとも言われています。
 ですから、カリウムは積極的に摂取してもいいと考えられますが、動物性の食べ物ではカリウムと同時に高血圧の原因にもなるナトリウムも摂取してしまうので、あまり効果的でではありません。一方、野菜類はナトリウムに比べてカリウムの量が断然多いので、カリウム不足を補うには野菜を積極的に取った方がいいことになります。
(とうせ・のりつぐ=札医大医学部教授)
(2016.02.03北海道新聞より一部抜粋)