地域ブランド調査、函館が魅力度V2

地域ブランド調査、函館が魅力度V2
 民間シンクタンクのブランド総合研究所(東京)は9月30日、「第10回地域ブランド調査2015」の結果を発表した。函館市の魅力度は50・4ポイントで、2年連続で全国1000市区町村のトップとなった。観光意欲度も昨年より順位をひとつ上げて1位となったほか、食にかかわる各項目でも高い評価を得た。北海道新幹線開業を控え、函館へのあこがれに応える受け入れ態勢の構築が求められている。
 函館の魅力度1位は、2009年、14年に続き、通算3回目。「とても魅力的」「やや魅力的」と答えた割合は73・6%となったが、割合は昨年よりも低下した。2位以下は、札幌、京都、横浜、小樽と続いた。都道府県別では7年連続北海道が1位で、以下、京都府、東京都、沖縄県、神奈川県となった。
 主要項目で函館は、認知度は昨年と同じ9位、情報接触度は10位(昨年6位)、居住意欲度は9位(12位)となった。食に関する項目の評価は高く、「食品想起率」3位(3位)、「地元食材が豊富」1位(1位)、「食事がおいしい」2位(1位)など。さらに「泊まりたい宿泊施設がある」が13位から8位に上昇した。朝食の評判ランキングで上位常連のホテルがあることが影響しているとみられる。まちのイメージでは「歴史・文化のまち」が9位となるなど、函館が観光の強みとしている要素はいずれも高い評価を得た。
 一方、北陸新幹線開業地域では、金沢市は情報接触度が前年43位から5位に急上昇。ただ、観光意欲度や魅力度は以前から上位常連のため、大幅な変化はなかったが、富山県内の各市では意欲度、魅力度の上昇があった。
 同研究所は北海道新幹線開業を控える函館について「新幹線開業で訪れる人たちのあこがれに見合うだけのサービスやおもてなしを提供していくことが、イメージを維持する上で重要になるだろう」とする。さらに、魅力度上位の都市の順位の変動は小幅だが、獲得ポイントは低下傾向にある。同研究所は「徐々に地域間の差は縮まってきている。10年前と比較し、地域への関心が低くなってきているのではないか」としている。(今井正一)
 ◆地域ブランド調査 2006年に始まり、全790市と東京23区、地域ブランド力向上に取り組む187町村を加えた計1000市区町村と都道府県が対象。インターネットで2万9046人が回答し、年齢構成、地域の人口分布に準じて集計した。1人当たり20地域について回答し、地域別の回答者数は平均で548人。調査項目は認知度、魅力度、情報接触度など全77項目。道南で函館以外の対象都市は、北斗市乙部町奥尻町の3市町。北斗市は、認知度790位で認知割合は2割程度にとどまったが、情報接触度は昨年より約100位ほど順位が向上し、578位だった。
(2015年10月1日 (木) 函館新聞より)