なぜ乗り物酔いになるの?

目は横の流れ×耳は縦の揺れ=脳がパニック
【そもそも、なぜ乗り物酔いになるの?】
 人は倒れないように体のバランスを保つため、目や耳、筋肉などから自分の周りの環境についての情報を得ている。なかでも、乗り物酔いは、耳の奥にある三半規管と耳石器という頭の揺れを感じる役目をしている器官がかかわっている。目や耳から得た情報は脳に伝わり、脳はバランスを手を取るために手足に命令を出す。ところが乗り物に乗っていると、脳がパニックを起こしてしまうことがある。
【どういうことか?】
 例え、バスに乗って窓の外の景色を見ていると、風景は横に流れていく。でも、走っているバスの揺れで、頭は上下に揺れる。目は横の流れを見ているけれど、耳は頭の縦の揺れを感じている。脳はバランスを取るために、どんな命令を出していいのか分からなくなってしまい、パニックを起こす。そうなると、頭が痛くなったり吐き気が起きたりする。
【脳がパニックを起こさないためにはどうすればよいか?】
なるべく動きの小さいものを見るようにする。地上から見えるもので最も遠くにあって最も大きいものを見る。それは月です。月が見えないときは遠くの山やビルを見るとよい。月も山もビルも見えないときは進行方向を見る。進行方向も見えないときは目をつぶって、寝てしまうのがいいそうだ。
【乗り物酔いにならないためには】
○:遠くにある大きなモノ(月や山、ビル)を見る
○:おおきなモノが見えないときは進行方向を見る。見えないときは目をつぶる
○:近くにある小さいモノ(スマートフォン、本、ゲーム)は見ない
○:下を向くと酔いやすい。酔ったら真上を見る
○:酔い止めの薬を飲む
○:前日は睡眠をしっかりとる。消化のいいものを食べる
○:バスは前の席、船や飛行機は中央の席に座る
○:服は体を締め付けないものを
(2015.06.20北海道新聞より一部抜粋)