道産食材「新鮮に輸出」 道など民間技術を検証

道産食材「新鮮に輸出」 道など民間技術を検証 事業拡大、生産者支援
 道や開発局が、民間企業が開発した農水産品の鮮度保持技術の効果を検証する事業に乗りだした。開発局は10月からシンガポールなどへの空輸実験を始め、道も近くアジアへの海上輸送を視野に入れた実験に着手する。人口減少で国内市場が先細る中、海外市場に活路を見いだす道内生産者らを後押しする。
 開発局は10月下旬、ホウレンソウやトマトなど4種類の野菜と、サンマや毛ガニ、キンキなど9種類の水産物シンガポールに空輸する実験を行った。輸送には、開発局が運輸業者らと共同で開発してきた、少量の荷物をまとめてコンテナに混載して海外に送る仕組みを利用した。
 野菜は湿度を調整する特殊なフィルムで包装し、水産品は塩分濃度が高く、解けても鮮度を低下させにくい氷を入れ、ともに保冷材と一緒に発泡スチロール製の箱に詰めた。
 道内で集荷してから3日目にシンガポールで確認したところ、保冷材のみで輸送したものに比べて、ホウレンソウなどでは鮮度の良さが確認できたという。開発局は11月には香港への空輸と海上輸送、台湾への空輸も行い、さらにデータを集める。開発局港湾計画課は「鮮度保持技術が普及すれば中小規模の生産者でも輸出への道が開ける」とする。
(2014.11.03北海道新聞より抜粋)