函館市人口対策に力

函館市人口対策に力・・・40年の推計で20〜39歳の女性60%減少
【函館】函館市が人口減対策に頭を悩ませている。工藤寿樹市長は、出生数が落ち込み続けている状況を踏まえ「少子化対策子育て支援に予算を集中的に配分する」と意気込み、また、市が道南17市町村と3月に立ち上げた広域行政制度「南北海道定住自立圏」も活用して、人口流出を防ぐ構えだ。
 民間有識者らでつくる日本創成会議は5月、2040年の人口推計に基づく函館市の20〜39歳女性の人口減少率(10年比)が、全国の中核市で最大の60・6%に達すると発表。市内には「人口減ショック」が広がる。工藤市長は7月23日の記者会見で「(少子化の)要因を12月までに分析させる。他の自治体に負けないような施策を考えていきたい」と決意を示した。
 工藤市長は12年4月、子育て支援施策の担当部門を一元化した「子ども未来部」を設置。医療助成の上限を、従来の小学生から、中学生まで拡大した。就学前の子どもがいる家庭をボランティア相談員が訪問し、育児の悩みを聞く「子育て支援隊」も、今年10月からスタートさせる。
 しかし、「先進的な施策を進めてきた」(子ども未来部の岡崎圭子部長)にもかかわらず、少子化の流れは止まらない。市内の昨年の出生者数は1738人で、4町村との合併直後の05年と比べ、10・7%減少した。岡崎部長は「子育て環境を整えても働き場がないと人口は流出する。子育て支援とともに、経済・雇用対策が少子化対策の両輪。広域的な観点で進めていくべきだ」と強調する。
 一方、市は人口減対策の切り札として「南北海道定住自立圏」に期待する。自立圏の「中心市」を宣言した函館市で年間8千万円前後、他の17市町で上限1500万円が配分される特別交付税を活用。住みよい環境整備を進め、道南圏からの人口流出を抑えるという。
(2014.08.03北海道新聞より抜粋)