カンゾウ(甘草)を本格栽培北海道

カンゾウを本格栽培 薬用植物 企業と会社設立 北海道・日高町
【日高】日高管内日高町は9月10日、漢方薬や健康食品などの材料として需要が伸びている薬用植物のカンゾウ(甘草)について、道外企業と組んで大規模栽培に乗り出すと発表した。2013年度に11万3千株を植え付け年々拡大。将来は100万株まで増やして町の基幹産業に育てたい考え。
 カンゾウマメ科多年草。風邪薬の葛根湯など国内で消費される漢方薬の約7割に配合されている代表的な薬用植物だが、全量を輸入に頼っている。近年、需要が増えていることに加え、主産地・中国で人件費が上昇して価格が高騰している。
 農林水産省などによると、国内では熊本県合志市など3市で大規模な試験栽培が始まった。道内でも名寄市オホーツク管内訓子府町で小規模な試験栽培例があるものの、商業栽培は道内外で例がないという。
 日高町は同町が筆頭株主を務める新会社「日高アグリ」(代表・佐藤則男副町長、資本金6千万円)で大規模生産を手掛ける。出資比率は町が60%で、燃料販売の会津日石販売(福島県会津若松市)が25%、生薬販売の長江(東京都中央区)が10%、土木業の橋興(松山市)が3%、薬草栽培の純緑農業(同市)が2%。
 新会社は既に、町が取得予定の民有地5600平方メートルでカンゾウの栽培に着手している。初収穫は16年度を予定。製薬会社などに販売し、同年度に約1億円の売上高を見込む。
(2013.09.11北海道新聞