堆肥と化学肥料

【堆肥とは別に肥料が必要】
 堆肥は土づくりに、化学肥料は作物の栄養分にと、長く言われてきましたが、リン酸のように堆肥の肥料効果が科学的に評価され、その分、化学肥料を減らせることが分かってきました。
 使う肥料を減らせば、農家の経営も助かるし、環境にやさしくなります。
【堆肥と化学肥料の性質】
 化学肥料はアンモニアなどの無機質で、根が直接栄養分を吸収します。いわば、すぐ食べられる栄養で、初期生育がよく生産性が高まります。
 一方堆肥は微生物が分解してアンモニアの形にしてから根が吸収します。微生物が働くのに一定の温度も必要です。ですから、吸収するまでに時間がかかり、肥料として効果が出るのは6、7月からと遅い。化学肥料は早めに成長するので収量などでは有利となります。
【堆肥の入れ方の注意】
 多くの家庭菜園では春に堆肥を入れます。苗を植えたり種をまくより早めに堆肥を土に入れておくと、微生物による分解が進み、アンモニアが増えて肥料としての効きがよくなります。でも、入れすぎは避けましょう。
(道立総合研究機構中央農業試験農業環境部の竹内晴信研究主幹)
(2013.04.30北海道新聞
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