北海道の海洋再生可能エネルギー調査

■道、海洋発電へ調査 稚内・岩内は洋上風力想定、函館は潮流
 【稚内、岩内、函館】道は3月12日、洋上風力や海流など海洋再生可能エネルギーの開発促進に向けた現地調査を開始した。稚内市と後志管内岩内町で洋上風力発電を想定した風況調査、函館市で海流・潮流調査を行う。国が開発促進のために行う実証実験の海域の公募に応じることを視野に、基礎データを集める。
 内閣府は「海洋再生可能エネルギーの利用促進に関する調査」の受け入れ先を2013年度まで都道府県から公募している。
 道は3市町で、風や海流の強さなどのデータ収集を柱とする現地調査と、事業化した場合の地域経済や雇用面への効果を試算する「実現可能性調査」を並行して進める。
 学識経験者らによる検討委員会(委員長・近藤俶郎室工大名誉教授)で、日本海オホーツク海、太平洋の三つの海域を対象に風力や海流に関する文献調査も行う。
 海流・潮流調査は3月下旬まで、函館市の汐首岬沖合いの水深25mの海底に「超音波流向流速計」を入れて海流の速さなどを測る。函館市はこのほか、津軽海峡での潮流発電実施に向け、新年度に市独自の海水流速調査を計画している。
 調査結果は3月中にまとめる予定で、道経済部は「海洋再生可能エネルギーの将来性を探り、普及につなげたい。北海道の潜在能力を国にPRしたい」(環境・エネルギー室)とする。
 稚内市は「風況の良さを生かし、新技術の研究に貢献したい」と望んでいる。
(2013.03.13北海道新聞より抜粋)