雛人形について

■3月3日は「上巳」「桃の節句」などと言われ、厄を人形に移して祓(はら)った「流し雛」の風習がありました。その風習が発展し、雛人形を飾り女の子の健やかな成長と幸せを願う現在の「雛祭り」となりました。
 ひな人形は宮中の様子を表しており、主に婚礼を意味しています。
下記は地域によって多少の違いはありますが、一般的な登場人物を紹介します。
【内裏びな】(だいりびな)
 内裏とは天皇の住まいである御所の事で、内裏びなは天皇、皇后の姿を表した男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)です。
三人官女】(さんにんかんじょ)
 内裏に仕える女官たち、中央の女官長はお酒を飲む盃を三方に乗せて持っています。向かって左の女官はお酒の入った「加えの銚子」を持ち口を開いています。向かって右の女官はお酒を注ぐ「長柄の銚子」を持ち口は閉じています。
【五人囃子】(ごにんばやし)
 お囃子(能楽の音楽)の演奏をする人たち、向かって左から太鼓(たいこ)、大鼓(おおかわ)、小鼓(こつづみ)、笛(ふえ)、謡(うたい)。それぞれの表情も違います。
随身】(ずいしん)
 お内裏様を警護する人たち。向かって左の若者が右大臣、向かって右の髭を生やした老人が左大臣で、弓矢を持っています。
【仕丁】(じちょう)
 宮中で雑用をする人たち。怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸の3人なので、三人上戸ともいいます。
 ほうき、ちりとり、熊手を持っている場合は、宮中を掃除する様子を表している。
北海道新聞安田販売所の「四季いい色」より抜粋)