プルトニウム埋設提言

■再利用、コストかかり過ぎる
【ワシントン共同】原発の使用済み燃料などに含まれるプルトニウムを燃料に再利用するのはコストがかかり過ぎ、取り出さずに地下に埋設処分するべきだとの意見記事を、米プリンストン大などの4人の専門家が、5月10日付けの英科学誌ネイチャーに発表した。
 記事は、使用積み燃料からプルトニウムを取り出してプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料として再利用しているフランスで、電力業界からコストを理由に反対の動きも出ていると紹介。2000年の試算では、再利用の方が年間7億5千万ドル(約600億円)割高になるという。
 米国では、核兵器用のプルトニウムを処分するため、MOX燃料に加工して原発で燃やしている。米予算案では34トンのプルトニウムを処分するのに130億ドル以上かかる一方、燃料としての価値は10億から20億ドルにしかならないと見込む。
 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)は、コスト増加とトラブルにより、完成が10年以上遅れていると指摘した。また米国では、23億ドルかけて建設した中西部セラフィールドのMOX燃料工場が、設計ミスのため製造能力の1%しか使わないまま昨年閉鎖したと言及した。
(2012.05.10北海道新聞より)