日本茶は茶殻も食べて

■栄養豊富な茶殻も食べて
 日本茶と言えば緑茶。「飲んでよし、食べてよし。色も香りもよし」。天使大学栄養学科講師の百々瀬いづみさんはそう魅力を語る。
 1杯の緑茶には有効成分が豊富に含まれている。例えば、渋みのもととなるカテキン。老化を防ぐ抗酸化作用があるといわれ、血圧や血糖値の上昇抑制、コレステロール値低下など多くの効果が期待たれている。うまみ成分のテアニンもリラックス効果があるといわれている。
 緑茶の葉は「抗酸化ビタミン」と呼ばれるビタミンA、C、Eも含んでいる。ただ、AとE脂溶性で水には溶け出さない。Cは水溶性だが、お茶1杯に使う葉の量は少なく、取れる量はわずか。
 そこで「食べてよし」。百々瀬さんは「緑茶の葉も茶殻も栄養豊富。ぜひ食べてみて」と勧める。
 東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の辻一郎教授、同大学院博士課程の遠又靖丈さんらは、2006年に宮城県大崎市で実施した健康調査で、要介護状態でなかった65歳以上の約1万4千人について、3年後の要介護発生率を調べた。
 その結果、緑茶を飲む頻度が1日1杯未満の人たちに比べ、1〜2杯で10%、3〜4杯で25%、5杯以上で33%減少し、緑茶を飲む頻度が高い人ほど要介護状態となるリスクが低くなっていた。
 「緑茶には要介護の原因となる脳卒中、認知機能低下、うつ、骨粗しょう症などの予防効果が期待されており、これらの疾患を予防することで健康寿命を延ばせる可能性があるのでは」と話す。
(2012.04.26北海道新聞より一部抜粋)