汚染がれき処理は国と東電に責任

 自らの責任を放棄して地方に丸投げしようとしている国にあることはあまりにも明白だ。絆とか思いやりの精神とか情緒的な言葉で、受け入れに否定的な意味をあたかも非国民と断ずるかのような論調が見受けられるのは大いに問題だ。
 北海道新聞朝刊一面のインタビュー企画「どうする震災がれき」での高橋知事の弁は情緒的かつあいまいで説得力がないのに対し、上田札幌市長の受け入れ拒否の弁は極めて明快で説得力がある。市民の安全を守るために批判は甘んじて受け入れるという強い意思表明には頭が下がる思いである。
 放射性物質は拡散させないことが大原則だ。国と東電の責任で、がれきを集中処理することこそ最優先事項ではないか。今のところ安全・安心な北海道の食材まで汚染させないでほしいと強く願う。
(2012.04.12北海道新聞読者の声より一部抜粋)
■高橋知事北斗市など訪問
 太平洋セメント上磯工場では、がれきの焼却灰を使ったセメントの生産が検討され、道と協議に入っている。道南地方では他にも、檜山管内の江差上ノ国、厚沢部、乙部の4町や、奥尻町が受け入れの意向を示している。高橋知事は「説明を繰り返すことで、少しでも早く、少しでも多くのがれきを受け入れたい」と語った。
 一方道はがれき受け入れの際、焼却前のがれきの放射性セシウム濃度を国より厳しい「1キロ当たりおおむね100ベクレル以下」とする独自基準を設定したが、焼却後の焼却灰についての独自基準は示していない。これに関し、知事は焼却前の基準を厳格化したことによって「(焼却後も)より低い数字になることは容易に想像できる」と述べ、焼却灰の独自基準は設けない考えを示した。
(2012.03.24北海道新聞より一部抜粋)