農地除塩道内から支援

津波で冠水被災農家救え=特殊な菌活用、普及狙う
 農林水産省によると、昨年3月の津波で宮城、福島、岩手3県を中心に農地約2万3千ヘクタールが冠水した。水を入れた土をかき混ぜて塩分濃度を下げるなど手間のかかる手法を除けば、効果的な除塩技術は開発されていないのが実情だ。
 こうした中、酪農学園大江別市)の長谷川豊特任教授(70)が、稲わらに付着する納豆菌の一種「バチルス菌」を使った除塩の実証試験を行った。
 菌は約10年前から堆肥を作るために使ってきたもの。菌に塩分を分解する作用があると言われ、昨年4月、これを津波被害を受けた宮城県名取市の花卉栽培農家のハウスの土壌にすき込んだところ、特産のカーネーションの多くが枯れることなく生育した。長谷川教授は「土壌の塩分を下げる効果が確認された。今後は地元自治会とも連携して広めたい」と話す。
(2012.03.16北海道新聞より一部引用)