樹木内部からセシウム

東京農大が福島3市町の森林調査
 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質が、森林に与える影響を調査している東京農業大学の林隆久教授(木の遺伝子工学)は2月1日、福島県内3市町の森林の樹木を調べた結果、内部から放射性セシウムを検出したと発表した。最も数値が高かったのは南相馬市のスギで、1キロ当たり2300ベクレルだった。
 調査は昨年9月から12月、南相馬市と相馬市、新地町の計7カ所のスギなど30本前後を対象に実施。厚さ2ミリ程度に輪切りした木を、エックス線フィルムに密着させて感光するオートラジオグラフィー法で内部の放射性物質を確認した。
年齢ごとに削り、セシウム濃度を計測したところ、最高で2300ベクレルを検出した。対象のうち7本前後は検出されなかった。一方表面の樹皮で最も高かったのは南相馬市のヒノキで、同9万5千ベクレルだった。
 林教授は「セシウムの気化や木材として使われることを考え、何らかの基準を作るべきだが、線引きは難しい」と話した。
(2012.02.02北海道新聞より一部抜粋)