北海道のすべて失う

■泊3号機訴訟初弁論「北海道のすべて失う」国は却下求める
 東京電力福島第1原発事故後に全国で初めて定期検査から営業運転を再開した北海道電力泊原発(後志管内泊村)3号機をめぐり、道民35人が国を相手取って定期検査終了証の交付取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、札幌地裁(橋詰均裁判長)であった。国側は「訴訟の要件を満たさない」として訴えの却下を求め、原告側は意見陳述で「泊で事故が起きれば、美しい自然、食料の宝庫である北海道のすべてを失う」と訴えた。
 原告は札幌の市民団体「Shut(シャット)泊」の泉かおり代表(54)。
3月の福島第一原発事故で国の安全指針の誤りが明らかになったのに、この問題を解消しないまま、8月に営業運転の再開を許したのは違法として提訴した。
国側は弁論で、取り消しを求められるのは国民の権利や義務を生じさせたり、制限したりする行政処分に限られると指摘。「最終証交付は、定期検査終了の事実を知らせる通知にすぎない」と主張した。
 これに対し、原告側は「最終証は実質的に営業運転の許可で、処分性はある」と反論した。
(2011.12.15北海道新聞より一部抜粋)