歯周病の悪化は口臭が原因

■「歯周病の悪化は口臭が原因」岡山大学大学院がラット使い解明
 口臭の原因となる硫化水素が口の中の細菌が出す毒素に作用し、歯を支える「歯槽骨(シソウコツ)」を溶かす細菌が増えることで歯周病が悪化する仕組みを、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授のチームがラットで突き止め、10月25日発表した。
 これまで口臭のある患者は歯周病の進行が早いという統計はあったが、詳しい仕組みは分かっていなかった。
 チームは「硫化水素は口内の細菌が出す。細菌は舌にもいるので、歯ブラシで舌も軽く掃除すれば歯周病予防の効果は大きい」としている。
 実験はラットをA:正常 B:歯茎に硫化水素を塗った C:口内の細菌が出す毒素を塗った D:両方を塗った の4グループに分けた。1日後、両方を塗ったラットでは、歯槽骨表面にある骨を溶かす「破骨細胞」の数が0・1ミリ四方当たり正常なラットの約3倍、硫化水素と毒素を片方ずつ塗ったラットの約1・5倍になった。
 両方塗ったラットでは歯茎の細胞と歯槽骨の細胞で、片方ずつ塗ったラットより強い反応が起き、破骨細胞を増やすとみられる。
(2011.10.26北海道新聞