メガソーラー普及に壁

 通信大手のソフトバンク(東京)が道内での建設計画を表明したことなどで、発電量千キロワットを超えるメガソーラー(大規模太陽光発電)への感心が高まっている。道内では北電が6月から営業運転を始めた伊達ソーラー発電所のほか、稚内市釧路管内浜中町農協が運営するメガソーラーが稼働中だが、一層の普及には採算性や送電網が壁になっている。
■送電容量限界
 問題は送電網だ。市内には風力発電の風車が74基あり、総出力は太陽光の15倍の7万6千キロワット。送電量は同52倍の年約2億1千キロワットにもなる。稚内を通る西名寄系統と呼ばれる送電網は既に容量が100%近くに達しており、送電設備が増強されないと発電所の新規参入はできない。
■再生エネルギー特措法案
 太陽光や風力、中小水力、地熱、バイオマスをエネルギー源として発電した電気を電力会社が一定期間、固定価格で買い取ることを義務付ける。現行の買取制度が太陽光発電の余剰電力分に限り1キロワットあたり住宅用42円、事業用40円で10年間買い取るのに対し、同法案は対象を自然エネルギー全体に拡大し、住宅用太陽光を除いて発電した全量を買い取る。売電価格は電力会社の電気料より高く設定するため、発電の全量を電力会社に販売し、使用する電力を電力会社から購入すれば、その差額分が利益になる。買い取り期間は住宅用太陽光が10年、それ以外は15〜20年の範囲内で法案成立後に決める。買取価格は太陽光以外が15〜20円、太陽光は未定。電力会社は現行制度同様、買取り費用を電気料金に上乗せする。標準家庭では月15円〜200円になる見通し。
(2011.07.20の北海道新聞