福島第一廃炉に数十年

■燃料除去2021年度から
 内閣府原子力委員会が、東京電力福島第一原発廃炉にするまでの中長期にわたる工程表を検討していることが7月9日、明らかになった。この工程表では、使用済み燃料プールの燃料の3年後から取り出し、原子炉の燃料は10年後から取り出すとの仮目標を設定。最終的に原子炉や建屋を解体、撤去するには数十年単位が必要としている。
 管直人首相も9日の民主党幹事長幹事会議で、事故の処理は「最終的には数十年単位の時間がかかる。原子力のメリットとリスクを根本から見直さざるを得ないとろに来ている。エネルギー政策そのものを、もう一度基本的に国民的議論をしていく必要がある」と強調した。
 それによると、福島第一原発1〜4号機の使用済み燃料プールの燃料は2014年から取り出し、最初の号機は2016年度に終える。
 一部が溶融した圧力容器の燃料は、2021年度から取り出し作業を始めるのが目標。1979年に事故が起きた米スリーマイルアイランド原発でも燃料が溶け出した原子炉を廃炉にした。
 だが福島第一原発1〜3号機では溶けた燃料が原子炉圧力容器を貫通する「メルトスルー」が起き、1,2号機では格納容器が損傷している可能性が高く、具体的な作業の見通しは立っていない。技術開発や実際の作業には、より長期間が必要との見方が強い。
(2011.07.10北海道新聞より一部抜粋)