自然エネ割合20%へ 首相、OECDで公約

 【パリ共同】菅直人首相は5月25日午後(日本時間26日未明)、パリで開かれた経済協力開発機構OECD)設立50周年記念行事で講演し、福島第1原発事故を受けたエネルギー政策見直しについて、太陽光や風力など自然エネルギーの総電力に占める割合を「大胆な技術革新」により2020年代の早期に20%へ拡大する方針を表明した。実現のため太陽電池の発電コストを20年に現在の3分の1に、30年には6分の1まで低減することも打ち出した。
 首相が白紙化に言及したエネルギー基本計画は自然エネルギーを30年までに20%にすることを掲げており、これを前倒しした形となる。事実上の国際公約だが、自然エネルギー割合は現在1%程度で、水力発電を含めても約10%。活用推進には技術、コスト面で問題点が指摘され、目標達成には多くのハードルがありそうだ。
 首相は、原発の安全性向上や、石油など化石燃料環境負荷低減、自然エネルギーの実用化、省エネの「四つの挑戦」に国家の総力を挙げると強調。特に自然エネルギーを「社会の基幹エネルギーへ高める」とした。3割を賄う原発については、増減に言及しなかったが、事故を教訓に「最高度の原子力安全を実現していく」と述べた。
(2011.05.26北海道新聞より一部抜粋)