原発重視政策の転換表明

■首相、原発重視政策の転換表明 再生エネも基幹に
 菅直人首相は5月10日の記者会見で、福島第1原発事故を受け、2030年までに原発の総電力に占める割合を50%以上にすることを目指したエネルギー政策を見直し、従来の原発重視を転換する方針を表明した。太陽光や風力などの再生可能エネルギーも「基幹エネルギー」に位置付け、省エネ社会の構築を推進する。事故を防げなかったことの「国の責任」を認め陳謝。
 ただ原発については安全性の確保に努めるとし、脱原発路線とは一線を画す姿勢を明確化。発足準備を進めている原発事故調査委員会に関しては(1)従来の原子力行政からの独立性(2)公開性(3)技術分野だけにこだわらない包括性―を原則にすると説明した。
 首相は、原発の増設推進や稼働率向上に取り組むなどとした現行のエネルギー基本計画に関して「いったん白紙に戻して議論する必要がある。原子力化石燃料とともに、太陽、風力、バイオマスなど再生可能な自然エネルギーを基幹エネルギーの一つに加える」と強調。「省エネ社会をつくることに力を注ぐ」とも述べた。
 原発事故に関しては「東京電力とともに原子力政策を国策として進めてきた政府にも、事故を防ぎ得なかった大きな責任がある。責任者として国民におわびしたい」としている。
(2011.05.11北海道新聞より一部抜粋)