大船渡市職員が奥尻町へ

東日本大震災被害者数
死亡1万1168人
行方不明1万6407人
■大船渡市災害復興を奥尻に学ぶ
集団移転地区など視察
奥尻東日本大震災で被災した岩手県大船渡市の市職員2人が3月29日、高台への集団移転などマチの災害復興を学ぶため、1993年の北海道南西沖地震で被害を受けた檜山管内奥尻町に入った。こうした目的で災害被害地の自治体職員が奥尻町を訪れるのは初めて。大船渡市が23日に新設した災害復興局の佐藤高広局長(53)と山口浩雅係長(42)。31日まで滞在し、津波被害を受けて再建時に集団移転を行った奥尻町青苗地区を視察したり、町幹部から説明を受ける。29日は町役場を訪れ、新村卓実町長に被災の様子などを話した。
 奥尻町では、青苗地区の集団移転が94、95年度に計7億円かけ実施され、55戸が高台に移った。
 人口約4万人の大船渡市は、今回の災害で28日現在、死者267人の犠牲者を出し、259人が行方不明。現在2100戸の仮設住宅を計画中で、佐藤局長は「現地はまだ応急処理に追われている段階だが、早くから復興について検討し、まちづくりの方針を示して大船渡市民に安心してもらいたい」と話す。青苗地区のような高台への集団移転も「視野に入れている」という。
 地震災害地では、同じ津波で被災した奥尻町の復興手法に関心が持たれており、町は「(大船渡市と同様の視察が)今後は増えてくると思う。可能な限り受け入れたい」と積極的な姿勢を示している。
(2011.03.30北海道新聞より)