陸で加速「射流」となる

■東大地震研が津波分析・陸で加速「射流」に
 東日本大震災で大きな被害を引き起こした津波は、陸上で強い破壊力を持つ流れになっていたとみられることが、東大地震研究所の都司嘉宣准教授(地震学)の3月26までの分析でわかった。
 都司准教授は、同研究所が岩手県釜石市から東沖約60Kmと100Kmの海底に設置している津波計データを解析。
 沖合い約100Km地点では、地震発生から10分あまりかけて水位が約1・8m上がった後、2分ほどの間にさらに約3・5mかさ上げされたとみられることが分かった。
 この急上昇した津波が海岸に到達するまでに一層増幅され、岩手県釜石市では地震発生から約30分後、ゆっくりと上昇していた津波が突然、「水の壁」となって押し寄せた。水の壁が崩れ滝のようになって流れ落ちる自由落下の速度が加わって、陸上でより破壊力を増した「射流」となって建物を破壊したり押し流したりしたとみられる。
 避難した人が撮影した映像でも、そのようすがとらえられていた。
(2011.03.27北海道新聞より)