芽室の農産物直売所

芽室の農産物直売所、売り上げ高は10年間で5倍に
 【芽室】管内有数の規模を誇る農産物直売所「めむろファーマーズマーケット愛菜屋(あいさいや)」は昨年、過去最高の売上高2億6千万円を記録し、開業10年間に約5倍に伸びた。
 「愛菜屋」の前身は1994年に地元の野菜農家6戸が設けた無人の農産物直売所。2001年に町農協が運営に参加し、06年に町農協が開発した地産地消複合ゾーン「みのりーむ」に移転。今は生産者103戸と町農協で構成する協議会で運営している。
 季節によって営業日は異なるが、10年は5月1日から12月5日までに144日間営業し、買い物客数は前年比0・3%増の延べ17万6800人、売上高は同2%増の2億6132万円でいずれも過去最高。01年は買い物客数3万5千人、売上高4900万円だったことを踏まえると、どちらも5倍強の伸びだ。
 好調の要因について、店長は「農家の顔が見える安心感、消費者の声を直接聞いて、品ぞろえを充実させたことが大きい」と分析する。豊作凶作で乱高下しがちな市場価格に対して、生産コストをベースにした直売価格は消費者からの信頼を獲得したといえそうだ。
 また、09年から地方発送時にこれから収穫する野菜のおよその時期やパッケージ内容などを知らせる「カタログ」を同封したところ、首都圏などからのリピーターが増えた。10年の地方発送取扱額は前年比13%増の1900万円で、売り上げ全体の7%を占めた。
 農協関係者は「需要に対して供給が追いついていない場面が生じつつある」と言い、生産者それぞれの出荷量を増やすことができれば、「愛菜屋」がさらに発展する余地はあるとみている。
(2011.01.08北海道新聞より)