地球が足りない

世界中の人々が日本人と同じ消費生活をするには、2・3個の地球が必要となる。
 世界自然保護基金(WWF)の発表した試算が関心を呼んでいる。
 国内の資源消費と二酸化炭素算出が生産をどれほど上回っているかで算出した。消費国・日本が地球に与えている負荷の大きさを示す指標となる。
 経年変化をみるとエネルギー消費の増大が目に付く。多くを輸入に依存する農水産物や木材などの消費も、海外での環境破壊に無関係ではない。
 責任は国民にもある。年1380万トンもの食料を食べずに投棄していることだ。全世界の食料援助量の1・7倍に及ぶ。
 日本に起因する負荷を縮小していくには、消費の無駄を省かなければならない。
WWF日本は「持続可能な社会のため消費が生産力を超えないこと」と提言している。
 ただ、水資源や原子力などは試算に含まれていない。
 また、生物多様性保全にまでは踏み込まず「人間生存」の条件にとどまる。一方で米国は地球4・5個が必要とたれた。
 だからといって日本の免責にはならないだろう。
 私達は地球を維持できるか否かの瀬戸際に立つ。生活を見直さなければならない。まず、冷蔵庫内の点検から始めたい。
(2010.10.19北海道新聞の今日の話題から一部抜粋)