「クリーン農産物」伸び悩み

◎減農薬を目指す北海道などの「北のクリーン農産物(YES!clean )表示制度」で、登録農家(生産グループ)の作付面積の増加傾向に陰りが生じてきた。2008年度は約1万5千ヘクタールで、対象作物の北海道内全耕作面積に占める割合は5.7%と、前年比0.1ポイントアップにとどまった。不安定な収量と認知度の低さなどが課題で、北海道も打開策を検討している。
 同制度は北海道やJA北海道中央会が食の安全性向上を目指し、1999年度から始めた。登録は北海道が算出した化学肥料や農薬の基準使用量の5割減が条件で、登録されると、生産した農作物の箱に「YES!clean」のマークが付けられる。
 北海道によると、作付面積は2004度以降、前年度比17〜30%の伸びを示していたが、2008年度は7%に鈍化した。全作物面積に占める割合も2004年度の3%が2007年には5.6%に伸びたが、2008年度はほぼ横ばいに。2009年の生産グループごとの登録数も366団体と、目標の400団体に届いていない。対象品目数も53品目と、2008年度と同じだった。
 北海道農政部はこうした状況について「減農薬は安定的な出荷が難しく、量販店が扱いづらいため、作付面積や登録数が伸び悩んでいる」と説明。農協の営農部長は「他府県産との差別化を図るため、登録は不可欠。価格も2割ほど高い」と、同制度のメリットを強調した上で「近年は農地の大規模化もあって、手間のかかる減農薬栽培が敬遠されている面もある」と話す。
 消費者の認知度も低迷し、北海道の2009年度調査ではマークの付いた農作物を購入したことがある消費者は、わずか6.9%だった。
(2010.10.19北海道新聞より一部抜粋)
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