函館の箱館奉行所が繁盛だが

◎国の特別史跡・函館五稜郭跡内の箱館奉行所が7月29日に公開されてから、1カ月余が過ぎた。入館者は8万人に達し、当初の予想を大幅に上回る盛況ぶりだが、入館者対象のアンケートには奉行所内の解説の充実を求める声も寄せられている。
 同奉行所の入館者は7日までに計約8万3千人。8月末に集計したアンケートには入館者223人から回答があり、復元された奉行所について「期待以上」と評価する人が93%を占め、満足度の高さが際立った。
 ただ、展示品などの説明については25%が「工夫すべきだ」と回答。「文字が小さく、年寄りにはつらい」などと、解説パネルの見にくさを指摘する声もあった。
 一方、奉行所オープンに伴い、観光客が増加、五稜郭跡での滞在時間が延びたことから、車の混雑対策も求められている。
 奉行所に最も近い道立函館美術館隣の公共駐車場の8月の利用台数は、前年同期比約14%増の約3万6千台。市教委によると最も混雑した17日は最長で約250メートルの駐車待ちの列ができた。中には「駐車をあきらめて引き返す車もあった」(五稜郭タワー)という。
 箱館奉行所は広さ約千平方メートル。内部には大広間などが並ぶ再現ゾーンや各種資料を紹介する歴史発見ゾーンなどがある。
北海道新聞より一部抜粋)