病害虫耐性高める菌を稲から発見

病害虫耐性高める菌を稲から発見、商品化へ 道内で実証
 産業用冷凍機大手の前川製作所(東京)は、稲の体内に生息する多数の植物共生菌の中から、病気や害虫への耐性を高める働きを持つ細菌3種を発見した。4年間の道内ほ場試験で病害虫耐性のほか収穫増も確認。同社は農薬削減と収量増につながる環境保全型農業資材として早ければ来年にも商品化する。
 見つかったのはアゾスピリラムなど3種。同社と東北大学農学部が2000年から共同研究を行って、4千種近い稲の共生菌の中からいもち病に対する耐性などを持つ共生菌を探し出した。
 稲にこれらの菌の希釈液を与えて育てる室内実験を、農林水産省の支援で3年間実施。病害虫耐性の高まりを確認した。2006年度から美唄岩見沢などの農協が協力し、合計200ヘクタールのほ場で、きらら397ななつぼしなどの実証試験を実施。害虫のカメムシとドロオイムシによる被害程度がほぼ半減した。
(2010.4.11北海道新聞より抜粋)