農業の多面的機能生かす人材を

農業の多面的機能生かす人材を 東京でフォーラム
 農村の環境保全のため都市住民に何ができるかを考えるシンポジウム「水土里(みどり)フォーラム」(全国水土里ネット、全国地方新聞社連合会など主催)が6日、都内で開かれ、応募した約450人が参加した。
 基調講演で、丸紅経済研究所の柴田明夫所長は、中国の経済成長などで世界の穀物需要が急増する一方、地球温暖化などで生産環境は悪化しており、「日本として食料自給率を確保しなくてはならない」と指摘。そのために「国土や環境の保全など、農業の多面的機能を生かす人材を育てることが重要だ」と訴えた。
 水土里ネットてんめい(熊本市)の永井幸人事務局長は、水源を維持するための植林活動などの取り組みを紹介、「住民の交流が深まり、伝統行事や祭りが活性化する効果もあった」と話した。
 パネルディスカッションでは「安ければ外国産でも良いという消費者の意識をどう変えさせるかが問題だ」「海外と競争するのでなく、付加価値を付ける農業に活路がある」などの意見が出た。
(2010.03.06北海道新聞より抜粋)