おならについて

おならの正体の大半は食事時の空気
 健康な成人は一日に約0・5〜1・5リットルのおならを5〜20回に分けて排出します。女性より男性の方が量も回数も多いという印象をもたれるかもしれませんが、実際には男女の差はほとんどありません。
 おならの正体は食べ物の残りが腸管内で発酵した際に発生するガスと思われがちですが、実際にそのように発生したガスは一割に過ぎず、残りの一割は血液中のガスが腸管内に出てきたものであり、残りの八割の大部分は食事などの際に口から飲み込んだ空気です。
 おならのにおいは他人を不快にさせますが、食べ物や健康状態によって多少異なってきます。通常芋類、豆類などの食物繊維の多い食物を摂取するとおならの量は増えますが、水素、メタンが増えるだけで、においは強くありません。肉、ネギ、ニラ、ニンニクなどの硫黄が多く含まれる食物を摂取すると、硫化水素が増え強烈なにおいになります。また胃腸、肝臓、すい臓に病気があるとタンパク質の腐敗により不快なにおいが強くなることもあります。
 日本では人前でおならをするのは失礼な行為とされておりますが、(欧米では「げっぷ」のほうが失礼とされる)、あくまでも正常な生理現象であり必要以上に我慢するのは変更にも良くありません。逆におならが出なくなった場合は腸閉塞などの重大な病気の兆候でもあり注意が必要です。
(札幌いしやま病院副院長、北海道新聞2010.1.6より一部抜粋)