じゃがいもの芽や緑の皮に毒素がある理由

◎【サツマイモは根、じゃがいもは茎
 サツマイモとじゃがいもは食品としてよく似ておりますが、植物としてみると大きな違いがあります。サツマイモは塊根、つまり根が太ったものですが、じゃがいもはサツマイモ同様に土の中にできますが、根ではなく茎が太ったもので根茎なのです。根であろうが茎であろうが、食べる側にとっては「デンプン質が豊富な優れた栄養食材」で、大きな違いではありません。しかし、じゃがいもは「茎」ですから、日光を当てれば緑色になり、芽が出ます。
 サツマイモの原産地は熱帯地方なので、保存するときは摂氏15度前後の室温が適しています。一方じゃがいもの原産地は南米アンデス山系高地なので、1〜5度くらいの冷蔵庫に入れておく必要があります。ただし、0度以下になると凍害がでますので注意しましょう。
じゃがいもの毒は熱では分解されない
 植物は、動物に食べられないような工夫をしています。じゃがいもは。次世代を育む大事な芽を食べられないように、その部分にソラニンという猛毒を持っています。先ほど、じゃがいもを日光に当てると皮が緑化してくると書きましたが、これは芽を出す準備です。このときの緑化した皮にもソラニンを含んでいます。
 実は、ソラニンは、じゃがいもそのもにも含まれていますが、ごく少量(可食部100gあたり2〜15mg)なので、食べた人に害を与えるほどではありません。一方、芽には約500mg、緑化した皮にも30〜50mgのソラニンを含んでいます。じゃがいもは貯蔵するときに光を当ててはいけませんし、じゃがいもの芽を食べてもいけません。
 ソラニンの致死量は400mg以上と考えられています。(ヒトの大人の場合)。大人では致死量に至るまで摂取することはほとんどありませんが、抵抗力の弱い子どもでは痙攣(けいれん)、昏睡を経て死に至ることもあります。また、大人でも中毒量は25mgで、頭痛、嘔吐、下痢、腹痛などが見られます。ソラニンは水溶性ですので、ゆでこぼすことによってかなり除かれますが、熱では分解されません。食用にするには、芽の部分を大きくえぐり取り、緑色になった皮は厚くむくことが必要です。
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