北海道産「ゆきひかり」がアトピーに効果(2)

ゆきひかり悪玉菌退治 北大・園山准教授ら解明 コメ以外もアレルギー抑制
 園山准教授らは、「ゆきひかり」と、北海道内外で栽培されているほかの3品種でマウスを使った実験を行い、腸内細菌群を比較した。その結果、「ゆきひかり」を与えたマウスは腸粘膜を覆う粘液の成分を分解する細菌が劇的に減ることが分かった。研究グループは「ゆきひかりを食べると、バリアとして働く腸の粘液が保たれ、血液中にアレルゲンが取り込まれにくくなる」とみている。
 さらに卵のアレルゲンを同時に与える実験を行ったところ、ゆきひかりにはアレルギー反応を抑制する効果がみられたという。園山准教授は「ほかの品種がアレルギーを起こしやすいということではなく、ハイリスクな人にとっては、ゆきひかりの方がいいということ」と話している。
ゆきひかり
1984年に北海道立中央農業試験場が開発。1989年には北海道内うるち米栽培面積の53%を占めた。その後「きらら397」などに取って代わられたが、コメアレルギーが増える傾向が現れた。同農試などの調査で、ゆきひかりに戻すと患者の約8割の症状が治まることが分かり「100ヘクタールを切るぐらい」(農業関係者)と小規模ながら今も栽培されている。
(2009.9.4北海道新聞より抜粋)