北海道農作物が長雨の影響深刻化

北海道農作物、生育遅れ 長雨の影響深刻化
 7月の長雨による農作物への影響が、さらに拡大している。
北海道が8月4日に発表した農作物の作況(1日現在)によると、水稲や小麦など11作物中10作物で平年より生育の遅れが出ている。豆類や野菜のほか、牧草や飼料用トウモロコシにも影響が表れ、酪農を含め道内農業全般への打撃を懸念する声が出始めた。
 北海道農政部の発表によると、水稲は平年比4日の遅れで、地域別では道内の米どころの上川管内が5日、空知も4日の遅れ。上川管内比布町の稲作農家の男性(65)は「日照不足によって、もみに実が入らない不稔(ふねん)が起きないか心配だ。8月に入り、天気が持ち直しているので、今は祈るような気持ち」と語る。
 収穫期を迎えた秋まき小麦も、畑がぬかるみ、収穫で4日、生育で1日の遅れ。十勝管内で収穫が4日、収穫直前の網走管内では3日の生育遅れとなっている。小麦の実が発芽し、商品価値を失う「穂発芽」の害も発生している。
 このほか、じゃがいも、玉ねぎも全道で1日の遅れ、一部のじゃがいも畑では疫病が発生するなど、品質低下とともに病害のまん延が懸念されている。調査した11作物中、影響がないのはリンゴだけだった。
(2009.08.05北海道新聞より一部抜粋)