エビ、カニ、タコ、貝は体によいか?

 動脈硬化と関連の深い脳卒中心筋梗塞といった病気を予防するために、コレステロール含有量が多い食品を控えたほうがよいという情報を聞いているので、エビ、カニ、タコ、貝類にもコレステロールが多く含まれているからと敬遠しがちの人がいます。
 しかし、これらの食品中のコレステロールは、一般に考えられているほどには、血液中のコレステロール濃度に影響しないことがわかってきています。
 エビ、カニ、タコ、貝にはコレステロールを低下させる高度不飽和脂肪酸のうち、生理作用が強いエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸という脂肪酸アミノ酸の一種であるタウリンも含まれています。最近、このタウリンが注目されてきています。タウリンは、疲労回復や肝臓機能の向上、胆汁酸の代謝に関与する重要な生理機能とコレステロール低下作用をもっているからです。牛肉や豚肉には100g中、数ミリグラムしか含まれていませんが、エビ、カニ、タコ、貝には数百ミリグラムも含まれているからです。
 また、これらの食品はタンパク質においても魚、畜肉と同程度の含有量、質的価値をもっています。脂肪は魚より少ないが、総コレステロール低下作用のほかに、血栓を防止したり、血管の壁をきれいにする善玉コレステロールを上げるはたらきをもっています。生活習慣病予防のために、これらの食品を食べることには意義があります。
(「こらしの中の健康づくり」より一部抜粋)