野口観光がホテル業から農業参入

◎ホテル業から農業参入 野口観光 伊達で大規模農地購入 野菜、宿泊客へPR
 【登別】ホテル経営の野口観光は、大規模農業経営に参入するため、伊達市内の農地約40ヘクタールを購入したことを明らかにした。すでに農業生産法人を設立し、今春から野菜などの生産を始める。系列の全道14ホテルに供給するほか、食品業者などへの販売も視野に入れる。
 自社生産で宿泊客に食の安全をPRすることなどが狙い。日本観光旅館連盟によると、ホテル業界からの大規模農業参入は「聞いたことがない」という。
 生産法人は「のぐち北湯沢ファーム」で25日、伊達市農業委員会から設立を承認された。本社は同市内の系列ホテル内で、農業従事者と野口観光の定年退職者ら計約10人を雇用。農業従事者が生産法人社長に就き、野口社長が会長を務める。
 農地の購入先は、東京の大手建設会社が3年前に設立した生産法人で、購入金額は明らかにしていない。購入した農地に隣接する約10ヘクタールについても地元農家と借地契約を締結。作付面積は合計約50ヘクタールに上り、東京ドーム約10個分に相当するという。
 人参や玉ねぎ、アスパラ、ナガイモなどの野菜のほか、ソバの栽培も手掛ける予定。「異業種参入の農地としては大規模」(道農業経営課)といい、年間4000万−5000万円の生産高を目指す。
 農地近くでの直営レストラン開設や、農業体験を絡めた旅行商品の開発も予定。野口社長は「新しい農業ビジネスのモデルを構築したい」と話している。
(2009.3.26北海道新聞より一部抜粋)